共有持分でも小規模宅地等の特例は適用できる?注意点や種類別の適用について解説します!

2023.09.22

目次

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はじめに

「小規模宅地等の特例」は被相続人が特定の目的で利用していた土地に適用できます。

この特例の特徴は、要件を満たした土地の評価額を最大で80%減額できる点です。

この特例を適用できれば、結果的に相続税の負担額も小さくなるので、適用できるかどうか是非確認してほしいポイントといえます。

しかし、共有持分で土地や建物を相続している場合、特例を使えるのか不安な方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、

・特例を適用する上での注意点
・共有持分の不動産でも特例を適用できるのか
・どのような共有持分のパターンで適用できるのか

などについてご紹介します。

小規模宅地等の特例を適用する際の注意点

①特例は誰でも適用できるわけではない

特例は要件に当てはまる人のみ受けられます。
同じ土地を2人の相続人が所有した場合、要件に当てはまらない相続人が所有した部分については特例が適用されません。

②不動産の用途が複数ある場合

一つの土地を複数の用途で使用している場合、土地が区切られていれば、登記上一つの土地であっても、利用区分ごとに特例を適用できるか判断します。

また、店舗と住宅が一体化していたり、貸付用のアパートの一室を自宅として利用していたりするなど、複数の用途で建物を使用している場合は、建物の床面積に応じて土地を分け、利用区分ごとに特例が適用できるか判断します。

③所有方法について

土地の所有方法には、「共有所有」と「分筆所有」があります。

「共有所有」とは、一つの土地を複数人で所有する方法に対し、
「分筆所有」は登記上一つの土地を分割して所有する方法のことです。

例えば、2人の相続人が一つの土地を共有所有する場合、その土地は2人の所有物(共有持分)になります。

そのため、その土地を売却したり、処分したりする際は所有者同士で話し合って決める必要があります。

一方、分筆所有する場合、分割した土地をそれぞれの所有者が単独で所有できるため、その土地は自由に利用や処分ができます。

なお、小規模宅地等の特例の適否は、土地の利用区分ごとに決められます。分筆所有だとしても、土地一体で利用されている場合は、全体の土地に対して特例が適用できるか判定されます。

共有持分の建物でも、土地へ小規模宅地等の特例は適用できるのか?

小規模宅地等の特例は共有持分の建物でも適用可能です。

また、被相続人が単独で所有していた建物をその後、複数人で相続して共有することになった場合でも適用できます。

特例の対象となる建物は主に以下の3種類です。

・特定居住用宅地等: 住宅として使用されていた建物
・特定事業用宅地等: 事業で使用されていた建物
・貸付事業用宅地等: 不動産貸付業に使用されていた建物

なお、特例を適用するためにはいくつかの要件があり、実はその要件が平成30年度と平成31年度に改正されました。

平成30年度の税制改正では、相続の開始前3年以内に新たに不動産貸付業として使われ始めた場合は特例の対象外となりました。

また、平成31年度の税制改正では、相続の開始前3年以内に新たに事業用として使われ始め当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の15%未満の場合は特例の対象外となりました。

共に節税対策として横行した方法の防止として改正されました。

税制改正に伴い、要件の変更点がいくつかあるので、よく確認しておきましょう。

特例を適用する際には建物の違いに注意する

特例の要件に当てはまる土地であっても、どのような建物の敷地で使用されているかによって、適用の部分が変わる場合があります。


まず、『戸建ての二世帯住宅』です。
二世帯住宅は区分所有権登記をしている場合、原則として特例が適用されません。

しかし、区分所有登記をしていない二世帯住宅については、中でつながっている場合・分離されている場合に関係なく、一棟の建物と判断できる二世帯住宅であれば適用できます。

また、区分所有登記をしておらず、親子で共有名義の場合も適用できます。


次に、『居住用マンション』です。
居住用マンションは建物自体区分所有されているのに対し、敷地は一つしかないため、区分所有者全員が一つの敷地を共有している状態です。

そのため、各区分所有者が敷地を利用する権利は敷地権として登記されます。

しかし、敷地は共有であるため、敷地に敷地権の割合を掛け合わせた部分に特例が適用されます。


最後に、『賃貸アパートや賃貸マンション』です。
不動産貸付業の賃貸アパートや賃貸マンションは貸付事業用宅地等に当てはまります。

この場合、随時入居可能な状態であれば、空室の場合でも貸付事業に敷地が使用されていたと判断されます。

平成31年法改正は遊休地に安価でトランクルームを建て貸付事業としていた方法に類するもの全般を防止したものと思われます。(トランクルームとは記載されていませんが相続時の価額の15%未満という部分の代表格がトランクルームでした。)

共有持分のパターン別に小規模宅地等の特例を解説します!

共有持分で相続した場合、特例が適用できるかどうかは相続人の条件によっても変わります。

以下では、敷地面積が330平方メートル以下の特定居住用宅地等に当てはまる住宅で、父母だけが同居、父が被相続人という場合を例とし、代表的な共有持分のパターンについて解説します。
また、賃貸部分は父の死亡時に空室と仮定します。


【被相続人の生前から共有していた場合】
父母が居住していた住宅で、父と母がそれぞれ半分ずつ土地を共有しており、母が父の土地を相続する場合です。

1.土地の全てが特例の適用対象

母が相続することになる土地は父が所有していた敷地面積の50%であり、その全てに特例が適用されます。

2.土地の一部が特例の適用対象

同じ建物内に賃貸部分がある場合、賃貸部分に特例が適用されません。
相続する土地のうち、賃貸部分床面積の割合を差し引いた残りの面積に、母の相続分の50%を掛け合わせた面積が特例の対象になります。


【生前に単有だった土地を共有相続する場合】
母と別々に生活をしている子どもの2人で50%ずつ相続する場合です。

1.居住用建物のみ敷地にある

母が相続する部分には特例が適用されますが、同居していない子どもの相続分においては適用されません。

2.居住用建物の一部が賃貸部分である

敷地面積から賃貸部分の面積を差し引いた面積のうち、母の相続分に該当する50%が適用の対象になり、子どもの相続分は適用対象外となります。

3.敷地内に居住用建物と貸家が別々にある

特例は貸家の敷地には適用されません。そのため、敷地面積から貸家部分の敷地面積を差し引いた面積に、母の相続分である50%を掛け合わせた部分が適用対象になります。

なお、この場合も子どもの相続分には適用されません。

一方で、同じ敷地を母が居住用建物の敷地部分、子どもが貸家の敷地部分と分けて分筆相続した場合、母の相続部分は全て特例が適用されます。

二世帯住宅の小規模宅地等の特例でよく挙げられる質問

二世帯住宅の小規模宅地等の特例を適用する際は、以下のよく挙げられる質問も確認しておきましょう。

*特例を適用すると相続人全員が80%減額になるのか

相続人全員の土地の評価額が80%減額するわけではありません。

例えば、両親の自宅を長男が相続し、次男が農地を相続した場合、特例を適用できるのは長男のみになります。

*特例を適用後に引っ越しは可能なのか

最低でも相続開始から10ヶ月間は住み続ける必要があります。
居住しているという事実によって特例が適用できるか判断されます。

そのため、住民票だけが二世帯住宅にあり、実際には別の住居に住んでいる場合は、特例を受けられない可能性があります。

まとめ

小規模宅地等の特例は、要件に当てはまれば共有持分の建物でも適用されますが、どのような場合でも適用できるわけではありません。

相続人の条件や建物の種類によって適用できる種類や対象面積が変わるため、しっかりと把握しておく必要があります。

相続は心の準備がないまま突然やってくるものです。
特例について事前に理解しておくことで、慌てることなく相続を進められます。

なお、税制改正が頻繁に行われているため、最新情報をこまめに確認しておくことも大切です。

しかし、実際に特例が適用できるかどうか心配ですよね。当社、大慶ハウジングにお気軽にご相談ください。

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