再建築不可物件とは?購入するメリットと注意点をご紹介!

2023.09.27

目次

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はじめに

家を建てるときに重要なのが、土地選びです。

その土地選びをしているときに、「再建築不可物件」を目にしたり、耳にしたりした方も多いでしょう。

再建築不可物件は、単に不動産会社が決めている条件ではなく、不動産関係の法律と密接に関係しています。そのため、購入する際は、メリットやデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。

では、再建築不可物件とはどのような物件を指し、どのようなメリットが挙げられるのでしょうか。

再建築不可物件とは?なぜ存在するのか

再建築不可物件とは、現在建てられている建物を解体して更地にしても、新たに建物を建てられない土地のことを指します。

都市計画法で定められている「都市計画区域」と「準都市計画区域」に存在します

そもそも、「都市計画区域」と「準都市計画区域」に建物を建てる場合、建築基準法で定められた接道義務を満たさなければなりません。

接道義務とは、幅員4m以上で建築基準法上の道路に、建物の敷地が2m以上接していることを指します。接道義務を満たしていなければ、新たに建物を建てられないため、該当する敷地は「再建築不可物件」になるのです。

再建築不可物件の例としては、以下の3つが挙げられます。

・建物の敷地が建築基準法上の道路と全く接していない
・建物の敷地が建築基準法上の道路と接しているが、接している幅が2m未満である
・市街化調整区域内にある

では、なぜ再建築不可物件が存在するのでしょうか。

それは、該当する敷地・建物が誕生した時代と、その当時の不動産関係の法律のズレが今も影響しているためです。

建築基準法は1950年、都市計画法は1968年に制定された法律です。

この時代以前に区分された敷地や建てられた建物は、接道義務を満たしていない状態や現在では住宅を建てるのに制限が掛かってしまっている等のケースがあります。

再建築不可物件を購入するメリットとは?

再建築不可物件を購入するのに、メリットもあります。

1.購入価格が安い

再建築不可物件は、建物の建て替えができないことから、通常の不動産よりも需要が低いです。

中には、物件や所在地によって、市場価格の半値程度になっているケースもあります。

そのため、都心部や駅近の物件で、通常なら価格的に購入できないと思われる地域の物件でも再建築不可物件であれば購入できます。

2.税金が安い

不動産を保有していると毎年必要になる固定資産税。

固定資産税とは、土地や不動産を所有している方が、市区町村等の自治体に支払う税金です。固定資産税は、不動産の購入価格に対して課されるのではなく、自治体が評価した価格を基準に課税され支払う事になります。

そもそも中古物件は新築物件よりも固定資産税が安いですが、再建築不可物件は建物の建て替えができないことから資産価値がさらに低くなります。

そのため、一般の不動産と比べて固定資産税が低くなるのです。

3.相続税対策につながる

財産を所有している方が亡くなった場合、同じ値段でも現金で所有しているか、不動産を所有しているかで相続税が大きく変わり、現金よりも不動産を所有している方が相続税は一般的に低くなります。

相続税は、土地や建物の購入価格ではなく、相続税計算のために評価した金額をもとに計算されます。

固定資産税評価と同じで再建築不可物件は相続税評価額も一般的な不動産と比べて低くなります。

素人が再建築不可物件に手を出すと後悔する3つの理由とは?

相場よりも低価格で、掘り出し物感がある再建築不可物件。実は、簡単に手を出してしまうと、後悔する可能性があります。

その理由としては何が挙げられるのでしょうか。

1.倒壊・消失しても再建築できない

地震大国である日本。また、近年は多くの自然災害に悩まされていますよね。

予期せぬ自然災害により、建物が倒壊・消失しても再建築できないため、後悔するといわれています。

仮に土地が残ったとしても、再建築不可物件は接道に難があるため、車両侵入出来ない物件が多く駐車場にする事も出来ません。この為土地だけになってしまうと活用方法に困ってしまいます。

2.投機購入の場合出口戦略で困る

一般的に不動産を投機購入する場合出口戦略として、「売却する」「建替え」「リノベーション」等をすることが挙げられますが、再建築不可物件は建て直して運用することが難しいです。

また、大規模な修繕工事が再建築と同様に出来ない場合もあります。そのため、売却する事も苦戦をしてしまい、一般的な物件に比べて売却価格が低くなったり流動性が低くなったりします。

3.物件の安全性を担保できない

再建築不可物件が建てられたのは、現代の建築基準法が制定される前からある建物です。

築年数の永い建物なので、老朽化が激しく、補強や補修によるメンテナンス費用が多くかかります。さらに、制約の多い中のリフォームとなるため、十分なメンテナンスが行えず、安全性に懸念が挙げられます。

また接している道路が建築基準法上の道路以外か接している幅が2m未満と狭い為、救急車両が家の前まで来られない事や火災等の災害が起きた時に敷地外へ出る事が通常より困難になる事も安全性を担保できない理由となります。

再建築不可物件の活用方法とは?

再建築不可物件を活用する方法には、現存する戸建てをそのまま利用するか、更地にして土地のままで活用するかの2択があります。

どちらの方法で活用するにしても、慎重に事前調査を行って活用の仕方を検討する必要があります。特に更地にしてしまうと2度と建てられなくなるからです。

それでは、活用方法ごとに検討していきましょう。

1.一戸建て賃貸

最もオーソドックスな方法です。再建築不可物件の場合、建築確認が必要な増改築はできません。

ただ、条件がありますが、木造2階建以下であったり、主要部分を修繕工事の半分未満に納める等の工夫をしてリフォームはできる可能性があります。

耐震・断熱・設備の更新といった工事費用がかかるものの、収益が見込めるのであれば検討してみるのも良いでしょう。

2.シェアハウス

一戸建て賃貸と似ていますが、間取りによってはシェアハウスも可能です。

独立性の保たれた部屋を複数確保できることが条件として挙げられます。加えて、魅力的なシェアハウスにするには工夫が必要です。

ただし、隣接地に公園など空地が存在していないような再建築不可物件の場合、密集地且つ接道幅が2m未満の場合があります。

この場合、災害発生避難時に2m未満の場所に敷地外へ逃れるシェアハウス住民が集中する事となり安全性を欠いてしまいますので物件周辺の状況等、よくご検討ください。

3.駐車場
これは、既存の建物を解体・更地にした場合の活用方法です。

接道義務を満たさない再建築不可物件は、元々車が入れないような土地なので、駐車場としての活用は出来ません。

しかし、市街化調整区域の土地は駐車場としての活用が可能です。

市街化調整区域に物件があり、需要があるかどうかをマーケティング調査した上で駐車場として活用するのも1つの方法です。

4.トランクルーム

老朽化したアパートでは、物置としての需要を見込んで賃貸しているところもあります。特に、住宅密集地では、一定の需要が見込まれているため、検討してみてはいかがでしょうか。

注意点としては防犯上の懸念と換気に関する設備、重量あるものは極力避けさせる等があります。

5.自動販売機

土地が狭いのであれば、自動販売機を設置する方法も挙げられます。ドリンクの自販機を1〜2台置くだけであれば、大した収益には繋がりません。

新型コロナウィルスが流行したことで、最近では飲料やアイス、お菓子だけではなく、ラーメンやアクセサリーなどを取り扱った自販機も増えています。

そこで、ラーメンやアクセサリー、オレンジジュース、ショートケーキ缶のように、目新しい面白い自販機を導入してみることをおすすめします。

ただ、視認性がない場所である事が再建築不可物件ではほとんどですので宣伝方法や需要が近隣にあるかを慎重に調査しましょう。

6.トレーラーハウス

トレーラーハウスとは、車両でけん引することによって移動可能な一戸建てのことです。元々アメリカで発達していたのですが、東日本大震災にて日本でも活躍しました。

ただし、これは接道義務を満たしている必要があるため、行政によりますが市街化調整区域では活用できる可能性があります。

一度、行政の担当窓口に相談してみることをおすすめします。

7.土地を貸す

更地にしてそのまま土地を貸し出す方法も挙げられます。場所によっては、その土地を資材置き場として活用したい人や会社も存在します。

リフォーム費用や設備投資がかからないメリットが挙げられますが、立地によっては収益面で劣る可能性があります。そのため、リスクを最小限に抑えたい方におすすめです。

まとめ

現在建てられている建物を解体して更地にしても、新たに建物を建てられない土地のことを指す「再建築不可物件」。

今回ご紹介したような活用方法が挙げられますが、一部の活用方法は市街化調整区域に物件があることが条件です。

税金対策に繋がり、購入価格が安い点が魅力として挙げられますが、安易な考えで再建築不可物件を購入するのはおすすめできません。

そのため、購入をお考えの際は、予めよく考えたり、不動産会社に相談したりしてから購入を決めることをおすすめします。

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