共有持分の不動産売却時に必要な売買契約書のひな形をご紹介!
2023.09.27
目次
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はじめに
不動産を売却するにあたって、その不動産の名義が単独名義なのか共有名義なのかで、売買契約の流れや必要になる手続きが変わってきます。
共有名義不動産の売却の方が、手続きが少し煩雑になります。また、売買契約書に記載する事項も異なります。
そこで今回は、共有持分不動産の売却について、単独名義不動産の売却と具体的にどう違うのか、書類は何が必要になるのか、などを解説します。
また、売買契約書のひな形も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
共有名義はトラブルになりやすいです。トラブルになる前に、専門業者へ依頼することも考えておきましょう。
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単有不動産売却と共有持分不動産全体の売却で違いは?
共有持分不動産の売却は、一般的な単有名義不動産の売却とどこが違うのでしょうか。
単有名義不動産の売却と1番の違いは、不動産売却が自分だけの意志で行えないことでしょう。
共有持分不動産全体を売却するには、共有者全員の同意を得て、手続きを進める必要があります。
具体的には、共有者全員が不動産売却の仲介を行う不動産会社と契約や決済に立ち会ったり、共有者全員の登記識別情報や実印、身分証明書を用意したり、ということが必要です。
また、不動産をいくらで売るのか、買い手が見つからないときの値下げはどうするのか、細かい条件も共有者全員で決めなければなりません。
単有名義不動産売却と比べると、時間と労力がかかります。
だた、共有持分の不動産を売却する場合に、自分が持つ共有持分「のみ」を売却する、という方法もあります。この場合、共有者全員で何かを決める必要はなく、共有者の意思に関係なく、自分の持分のみを売却することができます。
しかし、共有持分のみを購入したい、と考えている方は少ないです。
そのため、自分の共有持分のみを売却しても、その売却価格はかなり低くなります。
自分が持つ共有持分のみを売却する方が手続きは簡単になりますが、共有者で話し合い、共有不動産全体を売却した方が買い手も見つかりやすいですし、1人1人が得られる売却価格も高くなります。
売買契約書とは?作成は必要?
不動産売却の際に作成する売買契約書。
売買契約書は、どのような役割を果たしているのでしょうか。
宅地建物取引業法により、不動産会社は作成が義務付けられているため、仲介で不動産を売却する際には必ずこの書類を作成することになります。
一方、個人間で不動産を売却する際は、実は法律上は売買契約書の作成義務はありません。しかし、トラブルを防ぐために作成しておくべきです。
売買契約書には、売買するときに売主と買主の間で決める約束事やルールを記載します。
もし、口約束で不動産売買を行ってしまうと、権利関係や金銭関係トラブルが起きたときに、売主と買主で決めたルールを確認できず、トラブルの解決が難航してしまいます。
トラブル発生自体を防ぐために、そして万が一発生したときの解決をスムーズにするために、売買契約書は作成しましょう。
また、売買契約書は確定申告の際にも用います。
不動産売却で利益が生じた場合、課税対象となる利益額を計算し、確定申告をしなくてはいけません。その計算を行うときに、不動産の取得費が必要になります。
売却する不動産を購入したときの売買契約書があると、この取得費として計算することができます。
一方で、売買契約書がなく、取得費不明の場合、売却価格の5%が取得費とみなされます。そのため、本来支払う税額よりも、高い額の支払いが求められることとなります。
確定申告での損失を防ぐためにも、売買契約書は作成するようにしましょう。
共有不動産の持分を売却!必要な書類は?
共有不動産の持分を売却するにあたって、必要な書類は何があるのでしょうか。
一般的に、下記の書類が必要です。
・登記済権利証
・身分証明書
・実印
・印鑑登録証明書
・地籍測量図及び境界確認書(土地や戸建ての場合)
*ご所有不動産の状況や条件によって必要な書類は異なります
「登記済権利証」は、その不動産の所有者であるということを証明するために必要です。共有不動産の持分を所有する際に、法務局から交付されます。
2005年3月以降に共有持分を所有し始めたという方は、登記済権利証の代わりに「登記識別情報通知」で登記識別情報が法務局より通知されています。
「身分証明書」、「実印」、「印鑑登録証明書」は共有不動産持分全体を売却する場合は共有者全員分を揃える必要があります。
また、「土地測量図及び境界確認書」は、不動産が土地や戸建ての場合に用意する書類です。
共有持分のみを売却する場合にも必要な書類です。売却する土地の面積と、隣地との境界を証明するために必要です。
土地の境界が曖昧だと売却価格が下がってしまいます。土地家屋調査士に依頼し、測量を行います。
依頼する時期は不動産会社と相談の上決定します。
共有不動産の売買契約書はどう書く?ひな形を紹介!
共有不動産の売却にあたって作成する売買契約書には、一般の不動産売買の場合とは違う項目を入れる必要があります。
ここでは、『共有持分全体を売却するとき』の一般的な売買契約書の書き方の一例をご紹介します。
まず、大きく11の項目に分けます。
◆第1条・第2条 【不動産の売買代金に関すること】
第1条‥不動産を売却する目的と、売却する不動産の価格を、総額でいくらなのか、土地と建物はそれぞれいくらかを記載します。
第2条‥第1条で記載した不動産の売買代金をいつ、どのようにして買主が売主に支払うかを記載します。
◆第3条 【不動産の所有権に関すること】
不動産の所有権がいつ売主から買主に移るかを明記します。
基本的には、第2条で示した売買代金の支払い日に、所有権を移転させます。移転登記の際に発生する費用は買主が負担することも記載します。
所有権移転は完全なる所有権の移転が基本で、抵当権や差押等がある場合は事前に抹消をする、または売買代金の支払いをもって所有権移転と同時に抹消する等も記載します。
所有権を阻害する権利の抹消に伴う費用は売主が負担することも記載します。
◆第4条 【売買を実行するための条件に関すること】
共有不動産全体の売却には共有者全員の承諾が必要であるという売買に関する前提条件、そして売買にあたって売主が買主に引き渡す書類について記載します。
不動産が土地や戸建ての場合、地籍測量図や境界確認書、売主の本人確認書類や印鑑証明書に関しては、共有者全員分を登記申請する司法書士へ提出する必要があります。
◆第5条 【表明と保証に関すること】
売主である共有者全員がこの売買に承諾していることを表明・保証し、その表明・保証に不正確な点があった場合は買主が被る損害や損失を補償することを記載します。
共有持分のみを売却する時には共有者全員が承諾している必要はないので損害や損失を補償する必要はありません。
ただし、売主の持分が相続紛争中で変動する可能性がある場合には、売買契約時に所有している共有不動産の持分に間違いがないかを表明・保証し、不正確な点があった場合は買主が被る損害や損失を補償することを記載します。
◆第6条・第7条 【負担に関すること】
第6条‥不動産引渡し前に土地や建物が滅失・毀損した場合に関して、引き渡し前の発生であれば負担は売主側に帰属すること、引き渡し後の発生であれば負担は買主側に帰属することを記載します。
第7条‥不動産に係る賦課金・負担金や収益について、売買実行日を境に負担・収益を区分し精算することを記載します。売主が事業主の場合、固定資産税・都市計画税の精算については税法上売買代金の一部とみなされ、建物部分清算金には消費税が課される事も記載します。
◆第8条・第9条・第10条・第11条 【契約に関すること】
第8条‥売主または買主が債務の履行を怠った場合に、相手側が本契約の解除を求められることを記載します。
第9条‥契約不適合責任について、契約の解除や損害賠償請求が売買実行日から一定期間経過した後はできないことを記載します。
この一定期間についても具体的に3カ月又は2年間と記載します。事業主の場合は2年間、個人の場合は3カ月となります。
契約不適合責任とは、売主が買主に申告していない欠陥が見つかった場合に、売主側が負うことになる責任です。買主は、損害賠償の請求や契約した目的が達成されないと認められた場合は契約の解除ができます。
第10条‥この契約において紛争が生じた際に管轄裁判所をどこにするかを記載します。
第11条‥契約として定めてない事項が発生したときや、契約内容の解釈が異なってトラブルになった時に、お互いに誠意をもって協議で解決することを記載します。
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まとめ
共有持分の不動産全体を売却したいときは、共有者全員の合意が必要です。
持分のみの売却も可能ですが、購入希望者は少ないため、売買価格に影響があります。
ただ、共有不動産全体の売買契約を進めるにあたり、身分証明書や印鑑証明書など、共有者全員のものをそろえる必要もあります。
不動産売却の際には売買契約書を作成するようにしましょう。
売買契約書の作成が、売主と買主の間のトラブル防止、そしてのちの確定申告で損失防止につながります。
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