旗竿地や再建築不可物件を有利に売却する方法とは?

2024.06.29

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実家が旗竿地や再建築不可だった場合、相続が生じるとご自身が所有者として活用しなければなりません。
今回は旗竿地や再建築不可物件を有利に売却する方法についてご紹介します。
これらの物件は、一般的な土地に比べて安価で売却が難しいとされますが、適切な手順と戦略を用いることで、満足のいく売却を実現することが可能です。
今回は、旗竿地や再建築不可物件の特徴から売却方法、注意点までを解説します。

旗竿地と再建築不可物件の特徴

旗竿地や再建築不可物件は、不動産市場において特有の問題を抱えています。
それぞれの特徴を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

1: 旗竿地の特徴
旗竿地とは、細い路地を通った先にある奥まった土地のことで、その形状が旗と竿に似ていることから名付けられました。
このような土地は、道路に面する部分が狭く、日当たりや風通しが悪いことが多いです。
また、駐車スペースの確保が困難な場合や縦列でしか停めれない等、建築計画に制約が生じることがあります。

2: 再建築不可物件の特徴
再建築不可物件とは、建築基準法に基づき、新たに建築することが許可されない土地のことです。
これらの物件は、建築基準法上の道路に2m以上接していない、又は建築基準法上の道路に接道していない等の理由から、新たな建物を建てることができません。

3: 安価な理由
旗竿地や再建築不可物件が一般的な土地より安価なのは、前述の問題が原因です。
しかし、これらの問題を設計や工夫で解決できる場合、非常にお得な物件となることもあります。

売却が難しい理由

旗竿地や再建築不可物件の売却が難しい理由は、主に使い勝手の悪さや再建築不可の制約にあります。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

1: 使い勝手が悪く評価が低い
旗竿地は土地の形状が特徴的で、長く細い通路部分と奥まった敷地部分から成り立っています。
この形状により、日当たりや風通しが悪くなる傾向があります。
また、通路部分の幅は広くないため、車を停めると通路幅も狭くなる場合が多いです。
さらに、土地の形状が不整形であるため、建物の設計に制約が生じ、敷地の広さを有効活用するのが難しくなります。
これらの要因が重なり、旗竿地は一般的な整形地よりも評価が低くなりがちです。

2: 再建築不可物件の制約
再建築不可物件は、建築基準法に基づき、新たな建物を建てることができない土地です。
具体的には、道路に接する部分が2m以上ない場合や、建築基準法上道路と認められていない道沿いに建てられている場合です。
これにより、購入者は現状の建物をリフォームして使うしかなく、新築ができないため、土地の利用価値が大幅に制限されます。
この制約が購入希望者を遠ざける要因となり、売却が難しくなるのです。

3: デメリットの具体例
例えば、旗竿地の場合、隣接する建物が密集しているため、プライバシーが確保しにくいという問題があります。
また、通路部分が狭くて車の出入りが困難、又は駐車をすると大きな物を家に運び入れる事が出来なくなる等があります。
再建築不可物件については、古い建物をリフォームする際にも法的な制約があり、建築確認申請を必要とする大規模な改修が出来ないことがあります。

以上の理由から、旗竿地や再建築不可物件は一般的な土地に比べて売却が難しいとされています。
しかし、適切な売却戦略を取ることで、これらの物件も有利に売却することが可能です。

旗竿地や再建築不可物件を売却するための具体策

旗竿地の売却は一見困難ですが、適切な戦略を取れば確実に売却することが可能です。
ここでは、旗竿地を有利に売却するための6つの具体的な方法をご紹介します。

1: 隣地の一部、または全部を買い取って売却する
もし旗竿地の通路部分が2mの場合、駐車は困難となります。
そんな場合に隣地を50cm以上購入すれば駐車も可能となります。
また竿部分に接する隣地全体を購入した場合には整形地に変わり全体の価値が上昇する事になります。

2: 隣地所有者と土地の一部を等価交換してから売却する
隣地所有者と土地の一部を交換することで、前述と同じ効果を得る事も出来ます。
隣地を購入する資金が用意出来ない場合、接している部分を等価交換して土地の形を整えることも出来ます。
この時に隣地の土地形状が不整形にならないような配慮を持って交渉に臨めば、お互いの価値を上昇させるような交換案が出て来る可能性があります。
ただし測量など諸経費は掛かります。

3:建築基準法上の道路に接していない場合は並びの所有者全員がセットバックを行う
建築基準法が施行された際に4m未満で行き止まりの道や水路敷き、2mにも満たない道が建築基準法上道路として認められていない場合があります。
この場合、建築基準法上道路に至るまでの全所有者がセットバック(後退)を行い、道路の幅を広げられれば新たに建築基準法上の道路として認められる場合があります。
また、すぐにセットバック(後退)はせずともセットバックを将来行う承諾書を全員から取得出来れば43条の但し書道路として再建築許可を得る事も出来ます。
ただし、セットバックに費用がかかる行政があったり、セットバックだけではなく転回路スペースも確保しないと建築確認申請の許可が出ない事もあるため、事前に調査や専門家への相談が必要です。

4: 通路部分を複数人で共有している問題を抱えた旗竿地は相手方所有者に承諾を得る
通路部分を複数人で所有している場合(例:2m旗竿地を2軒連ねて4mの通路部分を作っている場合等)、相手方所有者に新しい家主が通行や一時的に車両を乗り入れる等して良いかどうかを確認します。
事前に通行承諾を書面で得ておくことで、買い手が安心して購入できる環境を整えることができます。
また、相手方所有者も安心でき、これにより売却がスムーズに進む可能性が高まります。

5: 生活環境を改善する建築プランをアピールする
旗竿地特有のデメリットをカバーするための建築プランを提案します。
例えば、日当たりを改善するために天窓を設けたり、プライバシーを確保するためのフェンスをデザイン性の高い物にすることで、居住環境を改善します。
このようなプランをアピールすることで、買い手の関心を引くことができます。

6: 専門の買取業者に売却する
最も確実な方法は、再建築不可物件や旗竿地専門の買取業者に売却することです。
専門の買取業者は、旗竿地の問題を理解し、適切に再生するノウハウを持っています。
このため、買い手を見つける手間やコストをかけずに売却することが出来るので必然的に買取価格も高くなります。
専門業者は、再建築不可物件や狭小地の取扱いにも慣れており、適正な価格で迅速に買い取ってくれるでしょう。

旗竿地や再建築不可物件の売却には工夫と戦略が必要ですが、これらの方法を駆使することで、売却の成功率を高めることができます。

専門の買取業者に売却する際の注意点

旗竿地や再建築不可物件を専門の買取業者に売却する際には、いくつかの注意点があります。
これらのポイントを押さえることで、無駄なコストを避け、スムーズに売却を進めることができます。

1: リフォームをしない
旗竿地に建物が建っている場合、リフォーム等のコストを掛けずにそのままの状態で売却することが推奨されます。
専門の買取業者は、購入後に自社の方針に従ってリフォームを行うため、売主が行うリフォームが買取価格に反映されないことがあります。
例えば、80㎡の建物を全面リフォームするには1000万円ほどかかりますが、業者の意図と合致しないリフォームは折角行っても再度リフォームされる場合があり、無駄な出費となりかねません。

2: 解体をしない
老朽化した建物がある場合でも、解体せずに売却することが望ましいです。
解体には100万円以上の費用がかかることが多く、再建築不可物件の場合は特に、解体すると致命的となります。
専門の買取業者は、現状のまま買取を行い、再生プランを自ら立てることができるため、解体は不要です。
特に再建築不可物件では、建物を残しておかないと買取不可となる場合もありますので必ず解体前に相談をしましょう。

3: 買取業者の選定に注意する
旗竿地や再建築不可物件の買取に特化した業者を選ぶことが重要です。
これらの物件は一般的な不動産業者にとって扱いが難しく、専門の知識と経験を持つ業者に依頼することで、より適正な価格での売却が期待できます。
インターネットの口コミや実績を確認し、知識があり信頼のできる業者を選定することが成功の鍵です。

4: 契約内容をしっかり確認する
契約前に、業者との契約内容を十分に確認しましょう。
特に注意すべき点は、買取価格、引渡し条件、手数料などです。
契約内容に不明点や疑問点がある場合は、必ず業者に確認し、自信のない場合は専門家へ相談し、納得した上で契約を進めることが大切です。

専門の買取業者に旗竿地や再建築不可物件を売却する際には、これらの注意点を踏まえて手続きを進めることで、スムーズかつ安心・適切に売却を完了することができます。

まとめ

旗竿地や再建築不可物件の売却には特有の難しさがありますが、適切な戦略と専門知識を持った業者の選定により、適切に売却を進めることが可能です。
物件の特徴を理解し、売却が難しい理由を踏まえた上で、具体的な売却方法や注意点を実践することで、満足のいく結果を得ることでしょう。
ぜひ、この記事を参考にして、旗竿地や再建築不可物件の売却を成功させてください。

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