不動産を共有持分で所有したい!割合の決め方を解説!

2024.09.27

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はじめに

不動産の購入や相続に際して、共有で不動産を所有したい、という方もいらっしゃるでしょう。

共有持分の割合のことを、持分割合といいます。この持分割合は自由に決められるわけではありません。

では、実際に何を基準にして、どのように持分割合を決めるのでしょうか。

そこで今回は、

・不動産購入時
・相続時

のそれぞれにおける持分割合の決め方を、計算方法とともに解説します。

共有持分での不動産所有は、管理や利用に際してトラブルが起きやすいので、正しく理解しましょう。

不動産を共有名義で購入!負担額で割合を決めましょう

まずは、不動産購入に際しての共有持分について解説します。

不動産を購入して共有持分にする場合は、基本は購入時の負担額で割合を決めます。

持分割合は、下記の計算式で出すことができます。

【持分割合=購入時の負担金額÷不動産の合計金額】
※計算式の負担金額には、住宅ローンの額も含まれます。

ただし、この計算で割り切れない場合も少なくありません。

例えば不動産の合計金額が3000万円で、負担額が2300万円と700万円の場合を考えてみましょう。

上記の計算に当てはめてみると、持分割合は0.766…と0.233…となり、割り切れません。この場合は、共有持分を調整しましょう。

注意が必要なのが、この調整は贈与とみなされる、という点です。0.766…と0.233…を0.77と0.23に調整する場合、調整前より一方は持分が増え、もう一方は持分が減ります。

この増減は、持分が減った方から増えた方への贈与とされます。贈与額が年間110万円を超えると課税対象になるため、調整額が110万円以下になるよう調整しましょう。

実際に計算してみましょう!

実際に不動産を購入するときには、不動産の価格以外にも諸費用がかかり、購入時には住宅ローンを利用する方が多いと思います。そのような現実的な費用も含めて、計算例を見てみましょう。

【例】
・新築一戸建て
・物件価格 5000万円
・諸費用 400万円
・夫婦の共有名義で夫が1000万円、妻が300万円支払う
・残りの4100万円を、夫の住宅ローンで購入

この場合、『持分=負担額÷不動産の合計』で出すことができるので、

【夫の持分】(1000万円+4100万円)÷(5000万円+400万円)=0.944…
【妻の持分】 300万円÷(5000万円+400万円)=0.055…

になります。割り切れないため、調整を行っていきます。

この場合は、夫の持分を95%として、妻から夫への約32万円の贈与にするといいでしょう。

もし、夫の持分を90%にして夫から妻への贈与にすると、贈与額が200万円を超え、贈与税が発生してしまいます。贈与税が発生しない範囲での調整を心がけましょう。

住宅ローンの組み方で共有持分の割合が変わります!

計算例では、共有名義の片方が住宅ローンを組む場合について解説しました。

場合によっては、2人とも住宅ローンを組むこともあるでしょう。2人とも住宅ローンを組む場合は、その組み方で持分割合の決め方が変わってきます。

2人で住宅ローンを組む場合は、以下の3つの種類から選ぶことになります。

・連帯保証型
・連帯債務型
・ペアローン

それぞれの持分割合の決め方を見ていきましょう。

*連帯保証型

連帯保証型の場合、2人のどちらかは主債務者、もう一方は連帯保証人となり、主債務者の単独名義でローンの契約をします。

返済義務は主債務者にあり、主債務者が返済不可能な場合は、連帯保証人が返済することになります。

ローン部分に対する持分割合は、基本的に主債務者となり、連帯保証人はローン部分に関して持分を持つ事は出来ません(贈与となります)。

連帯保証型は収入を合算できるため、単独ローンよりも借入額を増やせます。

しかし、控除は主債務者しか適用できなかったり、連帯保証人は団体信用生命保険に加入できなかったり、持分は主債務者側が大きくなるといったデメリットもあります。

*連帯債務型

連帯債務型の場合、1つの住宅ローンを2人で返済していきます。持分割合は、返済の割合に応じて決まります。

連帯債務型では、主債務者と連帯債務者を決めます。連帯保証型との違いは、2人とも住宅ローン控除を適用できる点です。

ただし、連帯保証型の連帯保証人と同様、連帯債務者は団体信用生命保険に加入できない商品がほとんどです。

主債務者が死亡または高度障害になった場合は団体信用生命保険の適用によって連帯債務者の支払いが免除されますが、連帯債務者の死亡または高度障害には保険を適用できないという事になります。

このため連帯債務型を扱わない銀行もありますので注意しましょう。

連帯債務型の場合は連帯保証型と異なり、連帯債務者もローン部分に関する持分を半分所有する事となります。

*ペアローン

ペアローンの場合、2人が別々で住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人となります。ペアローンは、2人とも住宅ローン控除を利用でき、団体信用生命保険への加入もできます。

ただし、別々のローンであるため、どちらかが死亡または高度障害になったときに支払いが免除されるのは片方だけです。

もう片方は返済を続けなければなりませんので注意が必要です。

ローン部分の持分については、各々が契約するローン金額分の持分を所有する事となります。

4100万円のローン契約を夫3000万、妻1000万円と分けた場合、自己資金+3000万が夫の持分割合、1000万が妻の持分割合となります。

共有で相続した不動産の持分はどう決める?

相続した不動産を共有名義で所有する場合の持分割合の決め方には、3つの方法があります。

*法定相続分に従う決め方

被相続人との関係性によって、誰がどのくらいの割合で相続するのかが法律で決められており、この決められた割合を法定相続分と呼びます。

例として、配偶者と子供はそれぞれ2分の1ずつになります。子どもが2人いる場合は、配偶者に2分の1、子どもそれぞれに4分の1ずつになります。

*遺言書に従う決め方

一般的には上記の法定相続分で割合を決めますが、遺言書が残されている場合は遺言書に従いましょう。

ただ、遺言書に基づいた相続はトラブルの原因になりかねません。なぜ、そのような遺言になるか一緒に記載してもらう、生前贈与を受けるなどの対策を検討しましょう。

*遺産分割協議による決め方

遺産分割協議で相続人全員の同意を得られれば、法定相続分や遺言書と異なる割合での相続が可能になります。

例として父母で所有して住んでいた家を父が亡くなった場合、家に関しては母の単独名義にする等が可能となります。

共有持分の計算時に自己資金になるものは?

持分割合を計算するとき、購入時負担金額のことを、自己資金と呼びます。この自己資金について、自己資金にできるものとできないものがあるため、紹介します。

自己資金にできるのは、自分の預金、相続した財産、贈与税を支払い受け取った資金、住宅ローンの借入金、両親からの借入金です。

一方で、自己資金として扱えないのは、配偶者名義の預金、親名義の預金、義理の親から妻への贈与です。

そのため、例えば親に共同出資してもらって不動産を購入する場合には、親も共有名義人とみなされ、親も共有持分を所有することになります。

親を共有名義人にしたくない場合は、資金を贈与してもらうか、借り入れるようにしましょう。

注意点として、借り入れる場合は必ず借用書を作成し、金利・遅延損害金・返済期日等を決めてください。なぜなら、借入であることを証明できないと贈与とみなされ、贈与税の支払いが必要になる可能性があるからです。

まとめ

不動産を共有名義で所有する場合は、共有持分を分け合うことになります。

持分割合は購入した不動産であれば、その費用負担の割合、相続した不動産であれば法定相続分や遺言書の記載・遺産分割協議によって割合が決まります。

適当に持分割合を決めてしまうと、いざ不動産を売却したいとなった場合にトラブルが発生し、最悪の場合、売却が中止になることもあります。

どの住宅ローンを選ぶか、贈与額をどうするか等考えるのが面倒なことが多いと思います。

ですが、後々の最悪な場合を防ぐために、しっかりと持分割合を決めましょう。

持分割合に関して不安がある方は、ぜひ当社、【大慶ハウジング】にご相談ください。

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