【共有持分】小規模宅地に関する税制の特例を詳しく解説!
2023.11.24
目次
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はじめに
不動産は多くの人々にとって、一生に一度の大きな買物です。
その中でも、不動産の共有持分に小規模宅地税制がどのように適用されるか否かという事項は、一般的な不動産取引の中でも、知らないと損をする税制の特例が存在します。
このような特例は、相続税をはじめとする多くの税金の負担を軽減する可能性がありますが、その反面、理解が不足していると大きなトラブルにつながる可能性も高いです。
この記事では、共有持分の小規模宅地に関する税制の特例を解説し、適切な行動をサポートします。
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小規模宅地の特例とは?共有持分だった時の適用は?
小規模住宅地等の特例とは、自宅等を相続する際に土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
小規模宅地等の特例には、一般的に4つの主要な区分が存在します。
①特定居住用宅地等
特定居住用宅地等とは、被相続人が自ら居住していた住宅の敷地や、被相続人と生計を一にする親族が居住していた住宅の敷地が対象となります。
この区分を適用するには、特定の条件下で相続税申告期限までの所有と居住、または所有の継続が必要です。
たとえば、被相続人の配偶者が相続する場合には、継続要件がありませんが、それ以外の親族が取得する場合には、申告期限までの所有と居住が必要です。
さらに、この区分には「家なき子特例」と呼ばれる特例があります。
これは、被相続人と別居の親族が借家住まいの場合、特定の条件を満たしていた場合に適用されるもので、その条件は非常に厳格です。
たとえば、被相続人の配偶者や同居の法定相続人がいないこと、相続開始前3年以内に特定の親族が特定の家屋(持家等)に居住していないことなどが要件とされています。
②特定事業用宅地等
特定事業用宅地等は、被相続人が事業用に使用していた土地や、被相続人と生計を一にする親族が事業用に使用していた土地が対象です。
例えば被相続人が個人事業主で所有する不動産で工場を営んでいた、八百屋をしていた場合等です。
ただし、不動産貸付事業や駐車場業などは除外されます。(別の特例が適用される可能性があります)
この区分にも、相続税の申告期限までに事業を引き継ぎ、所有と事業の継続が必要です。
また、相続開始前3年以内に開始された事業用の土地は、原則としてこの特例の対象外です。(相続税を圧縮する為に不動産を購入し相続税提言後に売却をして本来支払いすべき相続税を逃れる行為を防止する為)
③特定同族会社事業用宅地等
特定同族会社とは、被相続人やその親族が株式または出資額の合計で5割以上を保有している法人を指します。
この法人が事業用に使用している土地が、この区分の対象となります。
特に注目すべきは、取得者が申告期限において役員の親族である必要がある点です。これは、特定の親族が会社の経営に深く関与している場合にのみ適用される特例です。
特定事業用宅地等との違いは事業に使用しているのが法人であったか個人であったかによります。
例えば被相続人が~会という医療法人理事長であり、医療法人が使用していた不動産を子供である院長が相続する場合等です。
④貸付事業用宅地等
貸付事業用宅地等は、不動産貸付事業や駐車場業、自転車駐車場業などが対象となります。
この区分は、特定事業用宅地等や特定同族会社事業用宅地等が適用されない場合に重要となります。
特に、この区分では限度面積や減額割合が他の特例区分よりも小さいため、適用条件をしっかりと理解する必要があります。
限度面積は400㎡又は330㎡が200㎡に、限度割合は80%から50%になります。
以上のように、小規模宅地等の特例には多くの複雑な要素が絡むため、専門家のアドバイスが不可欠です。
特に、各区分には独自の適用条件や継続要件があり、これらを満たさないと特例の適用を受けられない可能性があります。
したがって、相続や土地活用においては、これらの特例とその適用条件をしっかりと理解し、適切な対策を講じることが重要です。
共有持分状態でも特例は適用可能
宅地や家屋が共有されている状況でも、小規模宅地等の特例は適用可能です。
この特例は、相続税評価額を減額するための制度であり、特定の要件を満たすことで、相続税の負担を大幅に軽減できます。
特に、被相続人が居住していた宅地(特定居住用宅地等)については、330㎡までの面積に対して評価額を80%減額することが可能です。
小規模宅地等の特例には、以下のような適用限度面積と減額割合が設定されています。
・特定居住用宅地等
➡被相続人が居住していた宅地については、330㎡までの面積に対して評価額を80%減額できます。
・特定事業用宅地等
➡被相続人が事業(賃貸事業以外)を行っていた宅地については、400㎡までの面積に対して評価額を80%減額できます。
・特定同族会社事業用宅地等
➡被相続人が経営する会社に貸していた宅地についても、400㎡までの面積に対して評価額を80%減額できます。
・貸付事業用宅地等
➡被相続人が賃貸事業等を行っていた宅地については、200㎡までの面積に対して評価額を50%減額できます。
この特例は、被相続人が単独で保有していた宅地だけでなく、複数人で共有していた宅地にも適用されます。
さらに、被相続人が単独で保有していた宅地を複数人で相続し、その結果共有持分状態になった場合でも、この特例は適用されます。
この点は、多くの相続状況で非常に有用であり、共有持分状態が多い現代社会においては特に重要な要素となっています。
小規模宅地等の特例を適用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
たとえば、自宅の敷地を配偶者以外の親族が相続する場合、被相続人の死亡前から同居している必要があります。
このような要件は、特例の適用を受けるためには避けて通れないものであり、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
生前と相続時で単独所有か共有持分状態かの違い
◆生前に共有持分である場合
被相続人が所有する共有持分を含む土地の全部が特例適用対象の場合は、相続税の特例適用で基本的なものです。
被相続人が所有していた共有持分の面積全てが特例の対象となります。
土地の一部が特例適用対象の場合は、土地全体のうち一部が特例の適用対象となります。その適用面積に対して共有持分割合を掛けた面積が適用対象となります。
土地の一部が特例適用対象の例としては、土地上にある被相続人自宅の2階部分を貸付けていた場合、建物全体の内、貸付部分の割合を土地全体に掛け、その部分は、特例の要件を満たしません。(上記の場合特例適用対象外部分は貸付事業用地の特例適用対象部分となります。)
◆生前は単有で共有相続する場合
土地の全部が特例適用対象の場合は、特例の要件を満たす相続人の部分のみが特例適用対象となります。
一方で、要件を満たさない相続人には特例が適用されません。
土地の一部が特例適用対象の場合も、土地全体のうち一部が特例の適用対象となります。
要件を満たす相続人は土地全体のうち一部の特例適用対象部分に自分の共有持分の割合を掛けた面積が適用対象面積となります。
小規模住宅地等の特例を利用した後に共有不動産を売却する際のポイント
小規模宅地等の特例には原則として相続税申告期限まで保有していないとならないという保有継続要件があります。(例外あり)
申告期限前に売買契約をしても申告期限後に引渡しであれば保有継続要件は満たした事となります。
では売買に関しての手続きも確認していきましょう。
◆売買に関しての手続き◆
①共有者を確認する
まず最初に行うべきは、共有者全員の確認です。不動産登記簿(登記事項証明書)を取得して、共有者の氏名と住所、そして持分を確認しましょう。
この情報は、後の手続きで非常に重要になるため、しっかりと確認しておくことが必須です。
もし、ご自身の共有持分のみを売却する場合には、他の共有者の同意は基本的には不要となります。
ただし、売却先が他の共有者にとって不都合な状況を引き起こす可能性があるため、売却先の信用性については慎重に確認する必要があります。
信用調査会社やインターネットでの評判、過去の取引実績などを調査して、安全な売却ができるようにしましょう。
②持分割合を把握する
共有者それぞれの持分割合を把握することも重要です。
不動産登記簿にはこの情報が記載されています。持分割合によっては、売却価格や手続きが変わる可能性があるため、この点を明確にしておくことが望ましいです。
③専門家に相談する
共有不動産の売却は、単独名義の不動産に比べて、手続きが複雑で時間もかかる可能性があります。
また、共有不動産は共有者とのトラブルにもなりやすいです。
そのため、経験豊富な専門家に相談することが非常に有用です。
専門家を選ぶ際には、その人が過去にどれだけ共有不動産の売却に関する経験があるのか、またその評判や信頼性はどうかを確認しましょう。
そして、具体的な売却戦略や価格設定、さらには税金対策まで、多角的なアドバイスを求めることが重要です。
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まとめ
今回は、共有持分の小規模宅地等の特例適用に関する基本的な情報をご紹介しました。
このような特例は、多くの人々にとって非常に重要なものです。
しかし、その適用条件や手続きは複雑であり、専門家のアドバイスが必要です。
特に、共有状態での特例適用や、生前と相続時の違い、さらには共有不動産を売却する際のポイントについては、多くの法的要件が絡むため、慎重な対応が求められます。
何か疑問や不明点があれば、専門家に相談することをおすすめします。
この記事が、共有持分小規模宅地に関する理解を深め、より適切な行動をとるための一助となれば幸いです。
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