共有持分の放棄と登記引取請求訴訟の手引き!知っておくべき法的情報と対策

2024.06.26

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不動産の共有において、登記引取請求訴訟という言葉を聞いたことがありますか。
この訴訟は、不動産を複数人で所有している際に生じるトラブルの解決手段として存在します。
例えば、真実の権利関係と合致しておらず、権利を放棄した側が登記名義変更を持ち掛け権利を受け取る側が協力しない場合等に使われます。
今回は、登記引取請求訴訟がどのようなものか、その具体的な進行や関連する費用、さらに共有持分放棄に伴うリスクなどを詳しく解説します。
不動産の共有において、この訴訟がどのように役立つかを知ることで、トラブル回避のヒントが見つかるかもしれません。

登記引取請求訴訟とは?

登記引取請求訴訟とは、権利を受け取る共有者に対して登記の引取を求める訴訟です。
持分の放棄は、共有者の同意がなくても自分の意思だけで共有持分を手放せますが、放棄した事を明確に公示する為、登記申請が不可欠です。
放棄された持分は、他の共有者に帰属します。

1:放棄の手続き
持分の放棄後、他の共有者に協力をしてもらわないと権利の移転が行われず、固定資産税の納税義務などが残ってしまいます。
その場合、登記に協力しない相手に対して「登記名義を引き取るべき」と訴訟を起こせます。
これが「登記引取請求訴訟」です。

2:登記引取請求訴訟の発生
持分の放棄後に他の共有者が登記に協力してくれない場合、登記引取請求訴訟を起こして、相手に「登記名義を引き取るべき」と訴えることが出来ます。
このような主張が登記引取請求権と呼ばれるものです。

3:法的な根拠
登記引取請求権は、法律上の条文や規定はなく判例によって認められました。登記は共同申請の原則(不動産登記法第60条)がありますが判決による単独申請(不動産登記法第63条)が認められています。
例えば、最高裁判所の判例では、「真実の権利関係に合致しない登記があるときは、当事者の一方は他の当事者に対して、登記を真実に合致させるための登記請求権を持ち、他の当事者はその請求に応じる義務を持つ」とされています 。

このように、登記引取請求権は、登記義務者(放棄側)が登記権利者(受取側)に協力を要請する権利です。
また、登記権利者から登記義務者に協力を要請する権利は「登記請求権」といいます。
持分放棄による登記引取請求訴訟で訴えの利益が認められ登記申請を命じる判決が下れば登記義務者のみで単独登記申請が可能となります。

登記引取請求訴訟の進め方

登記引取請求訴訟については、その進行は専門的かつ複雑であり、多くのステップが必要です。
具体的な手続きを以下で詳しく説明します。

1:裁判所への訴状提出
この訴訟を開始するためには、裁判所に訴状を提出する必要があります。
訴状には、関連する当事者の情報や、登記引取請求権を求める事由となる具体的な事実を明記することが求められます。
提出先は、被告の住所地や不動産の所在地など、いくつかの選択肢があります。

2:準備書面および証拠の提出
口頭弁論期日に備えて、主張や証拠を整理した準備書面を提出します。
この書面は、裁判所に対する説明書としての役割を果たすため、明瞭かつ詳細に作成することが重要です。また、事実関係を支持する証拠も併せて提出します。
共有持分放棄の事実を証明するためには、放棄を通知した内容証明郵便等が利用されます。
このような証拠は、訴訟において重要な役割を担うため、事前の準備が必要です。

3:口頭弁論期日と弁論準備手続期日
裁判所での口頭弁論期日には、双方の主張と証拠が争われます。
通常、これらの期日は数回にわたって行われ、裁判所は各事実を精査した後、判決を下します。

4:判決の言い渡し
全ての審理が終了した後、裁判所は訴えの登記引取請求について判断を下し、判決を言い渡します。
判決よりも前に裁判所から和解が提案されることもあります。

5:判決の確定
判決に不服がある場合には、判決書の送付を受けた後、一定期間内に控訴が可能です。
控訴がなければ判決は確定し、登記の引取が正式に認められます。
必ずしも登記の引取が認められるわけではありませんので専門的な内容も多く弁護士との相談を推奨します。

登記引取請求訴訟におけるコストについて

登記引取請求訴訟における費用は、多岐にわたります。
主要な費用を解説し、事前に把握すべき費用について詳しくご説明します。

1:弁護士費用
弁護士に依頼する際の費用は、主に「着手金」と「成功報酬」で構成されています。
着手金は訴訟を開始する前に必要となるもので、一般的には20万円から30万円が相場です。
成功報酬は、訴訟が完結した場合に支払う費用で、得られた経済的利益の一定割合を基に計算されます。敗訴の場合でも報酬を請求する事務所もあります。
具体的な率は、事務所や案件の内容によって異なるため、契約時に確認が必要です。

2:司法書士費用
登記手続きには司法書士の協力が不可欠です。
この費用には、「登録免許税」、「司法書士報酬」、および「謄本の取得費用」などが含まれます。
特に、登録免許税は固定資産税評価額に基づいて計算され、所有権移転の税率は原則2%(内容や時代により特例措置があります)となっています。司法書士報酬は一般的に土地一筆・建物一つあたり3万円から7万円程度です。

3:裁判所への手数料
裁判所に支払う手数料は訴額に依存します。
訴額が高額になればなるほど、手数料も高くなります。
例えば、訴額が100万円までは10万円ごとに1,000円、100万円を超え500万円までの部分は20万円ごとに1,000円と定められています。
これらの費用は、個々の案件の具体的な状況に応じて変動する可能性があります。
したがって、正確な費用見積もりを得るためには、関連する専門家へ事前に相談することが推奨されます。

共有持分放棄を考える前に知っておくべきこと


共有持分放棄は単純に不動産を放棄するだけでなく、多くの法的、税金の問題をはらんでいます。
ここでは、共有持分放棄を検討する前に知っておくべき主要なポイントを詳しく解説します。

*固定資産税の負担はしばらく続く

固定資産税は、1月1日時点での名義人に対して課されます。
もし持分を放棄しても、翌年の1月1日を超えるまで固定資産税の負担は消えません。
事前に放棄のタイミングを検討する必要があります。

*贈与税の問題

共有持分の放棄は、放棄を受ける他の共有者に対しての贈与とみなされることがあります。
これにより、贈与税が受け取る共有者へ課される可能性があるため、税理士と事前に相談が必要です。

*登記の必要性

持分放棄後の登記変更は必須です。
これには専門的な手続きが必要となるため、司法書士に依頼しましょう。
登記を怠ると、将来に支障をきたします。

*裁判所への対応が必要かもしれない

共有持分の放棄が他の共有者に受け入れられないケースがあります。
その場合、法的な手続きを通じて解決を模索する必要になり、裁判所に申し立てることが求められるかもしれません。
以上の点を踏まえ、共有持分の放棄を検討する際は、多角的にリスクを評価し、専門家としっかりと相談することが重要です。
持分放棄はその裏に多くのリスクと責任・時に金銭的負担が伴うため、慎重な検討が必要とされます。

まとめ

登記引取請求訴訟は、真実の権利関係に合致させる登記をするための重要な手続きです。
その進行は専門的かつ複雑であり、弁護士や司法書士の協力が不可欠となります。
また、この訴訟にはさまざまな費用がかかるため、事前にしっかりと把握し、訴訟でご自身の訴えが認められる可能性に関して弁護士に相談をしましょう。
共有持分の放棄を検討する際には、法的、税金、登記の問題について十分に理解することが重要です。
専門家と相談しながら慎重に進めることで、共有不動産のトラブルから解放される可能性が高まります。不動産共有の問題を解決するためには、適切な手段と専門家のアドバイスを活用しましょう。

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