共有物の分割請求とは?その目的やメリットと注意点について解説します

2024.07.26

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共有不動産のトラブルは、当事者間で解決が難しく、深刻な事態に発展することもあります。
特に、共有持分の分割を巡っては、意見が対立し、関係が悪化してしまうケースも少なくありません。

例えば、相続によって不動産を共有することになった場合、共有者のいずれかが、その不動産を単独で所有したい等と考えたときに、意見が対立してしまうことはよくあることです。
共有者の間で、それぞれの事情や価値観が異なるため、折り合いをつけることが難しい場合もあります。
また、共有不動産の利用や売却など、具体的な問題が発生した際に、共有者間で合意形成が図れないことはトラブルの原因となります。

しかし、共有不動産を解消し、それぞれの将来設計を実現するために、共有物分割請求という有効な手段があります。
共有物分割請求とは、共有不動産の所有者の一人が、他の共有者に対して「共有状態の解消」を求める手続きのことです。
共有状態が解消されれば、それぞれの所有者が不動産を自由に売却したり、賃貸に出したり、建築したりすることが可能になります。

この記事では、共有物分割請求について、その手続きや分割方法、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。共有不動産のトラブルに悩んでいる方にとって、解決の糸口となる情報を提供します。

共有物分割請求とは?

共有物分割請求とは、共有不動産の所有者の一人が、他の共有者に対して「共有状態の解消」を求める手続きのことです。
共有状態が解消されれば、それぞれの所有者が不動産を自由に売却したり、賃貸に出したり、建築したりすることが可能になります。

例えば、相続によって不動産を共有することになった場合、共有者のいずれかが、その不動産を単独で所有したいと考えたときも、この請求で相手方共有者へ対価を支払い単独所有にする提案も可能です。
また、共有不動産を売却したいと考えている場合、他の共有者の同意が得られない場合は売却できませんが、共有物分割請求によって、共同で売却して換価分割にて共有状態を解消する提案も可能です。

1: 共有物分割請求の法的根拠
共有物分割請求は、民法によって認められた権利です。
民法では、共有者はいつでも共有物の分割を請求できると規定されています(民法第256条)。
ただし、5年を超えない期間内は、分割をしない旨の契約を結ぶことも認められています(民法第256条)。
このただし書の契約は、共有者間の合意に基づいて作成されるため、共有者間で合意が得られない場合は、このただし書き契約は有効となりません。

2: 共有物分割請求の必要性
共有状態は、不動産の利用や処分を制限するため、様々な問題を引き起こす可能性があります。
例えば、共有者のいずれかが不動産を売却したいと考えていても、他の共有者全員の同意が得られない場合は売却できません。
また、共有者のいずれかが不動産を賃貸に出したいと考えていても、他の共有者全員の同意が得られない場合は賃貸に出すことができません。(期間が3年未満の定期建物賃貸借契約であれば持分割合過半数の同意で可能)

さらに、共有状態が長期間続くと、共有者間の関係が悪化したり、将来の相続でトラブルが発生したりするリスクも高まります。
そのため、共有不動産の有効活用や、将来のトラブルを回避するためにも、共有物分割請求を検討する必要があるのです。

共有物分割請求の目的

共有物分割請求の目的は、共有状態を解消することです。
具体的には、以下の目的が考えられます。

1: 不動産の売却
共有状態では、他の共有者全員の同意を得られない限り、不動産を売却できません。
しかし、共有物分割請求によって不動産を売却して換価分割する判決を得られる可能性があります。
例えば、相手方が共有の不動産に居住していて売却に反対している場合、一方は居住もせず固定資産税等を負担している場合は不公平が生じています。
また相手方に資力がなく自分の持分を買取る事も出来ない場合は共有状態解消の一案として売却しての換価分割を提案することが可能です。

2: 建築
共有状態では、他の共有者の同意を得られない限り、不動産に建築物を建てることができません。
しかし、共有物分割請求によって持分割合により不動産を分筆し単独所有すれば、自分の希望に沿った建築物を建てることが可能になります。
例えば、二人で相続した100坪の土地(共有不動産)に新しい家を建てたい場合、相手方共有者が同意しないと自分の持分である50坪の部分にも建てる事は出来ません(土地を担保にする事が出来ない等)。
しかし、共有物分割訴訟により50坪ずつの土地に分けてお互いが単独所有する事が出来ればご自身の判断のみで新しい家を建てる事が出来るようになります。

3: 担保設定
共有状態では、金融機関から融資を受ける際に、共有者全員の同意を得ずに不動産を担保に設定することは出来ません。(持分のみには可能ですが、都市銀行は持分のみでは担保として認めません)
しかし、共有物分割請求によって不動産を単独所有すれば、金融機関から融資を受けやすくなります。
例えば、事業資金を借り入れたい場合、共有不動産を担保に設定したいと考えているかもしれません。
しかし、共有状態では、他の共有者の同意が得られないために、不動産を担保に設定することが難しくなります。

このような場合、共有物分割請求によって不動産を単独所有することで、金融機関から融資を受けやすくなります。

4: 財産管理の簡素化
共有状態では、不動産の管理や維持に多くの手間と時間がかかります。
例えば、共有不動産の修繕が必要になった場合、共有者全員で話し合って、修繕方法や費用負担を決定する必要があります。
また、共有不動産の税金や保険料などの費用も、共有者全員で負担する必要があります。
しかし、共有物分割請求によって不動産を単独所有すれば、財産管理が簡素化されます。
不動産の管理や維持、費用負担などの手続きが、自分だけで行うことができるようになります。

共有物分割請求の手順

共有物分割請求の手順は、以下の3段階で行われます。

1: 当事者間の協議
まずは、共有者間で話し合いを行い、分割方法や条件について合意を目指します。
この段階では、それぞれの共有者の意向を理解し、互いに納得できる分割方法を探ることが重要です。

2: 調停
当事者間の協議で合意に至らない場合は、裁判所の調停を利用する事も出来ます。
調停とは、裁判官以外の第三者である調停委員が、当事者間で話し合いを行い、合意形成を支援する手続きです。
調停では、調停委員が間に入り、双方に妥協案を提示することで、合意を目指します。

3: 訴訟
協議不調の場合は、裁判所に訴訟を提起します。
訴訟とは、裁判官が当事者間の主張を聞き取り、証拠を調べ、法律に基づいて判決を下す手続きです。
裁判所は、当事者間の主張を聞き取り和解を促しますが、和解が出来ない場合は法律に基づいて、分割方法や条件についての判決を下します。

共有物分割請求のメリットとデメリット

共有物分割請求には、メリットとデメリットがあります。

*メリット

1: 裁判所に判決を委ねることができる
当事者間での話し合いでは、双方の主張がぶつかり合い、なかなか着地点が見つからない場合があります。
例えば、共有不動産の価値をどのように評価するか、分割の方法をどのように決めるかなど、共有者間で意見が一致しないことがあります。
しかし、裁判所に判決を下してもらうことで、客観的な判断を得ることができます。
裁判所は、法律に基づいて、公正かつ公平な判断を行います。

2: 価格に公平性がある
代償分割となった場合、持分を取得する人は、その代償金を相手に支払う必要があります。
この場合、相手側の言い値では、誰かが得をし、誰かが損をするということが起こってしまいます。
例えば、共有不動産の価値について、共有者間で意見が一致せず、一方的に有利な価格で代償分割が行われてしまう可能性があります。
しかし、裁判所は、共有者間の言い値ではなく、裁判所鑑定(裁判所指定の不動産鑑定士)による適正価格をもとに判断する等で公平を図る場合があります。
裁判所鑑定は、不動産鑑定士が専門的な知識に基づいて、不動産の価値を評価するものです。
そのため、根拠と公平性のある価格で判断されるため、納得感があります。

3: 他の共有者の同意が不要
共有物分割請求は、他の共有者の同意を得ることなく、共有者であれば誰でも提訴することができます。つまり、共有状態を解消出来る可能性が高まります。
例えば、他の共有者が分割に反対して話し合いにならない場合でも、裁判所に訴訟を提起することで、共有状態を解消する話し合いに応じるしかなくなります。
(話し合いに応じないと自分に不利な判決が下される可能性があります)

*デメリット
1: 時間と費用がかかる
共有物分割請求は、手続きに時間がかかるだけでなく、弁護士費用や裁判費用などの費用もかかります。
特に、訴訟に発展した場合、長期化する可能性があり、費用も高額になる可能性があります。
裁判手続きには、多くの時間と費用が必要になる可能性があります。

2: 他の共有者との関係が悪化する可能性がある
共有物分割請求は、他の共有者との関係が悪化する可能性があります。
特に、分割方法や条件をめぐって、意見が対立した場合には、関係が悪化する可能性が高まります。
共有者間で、それぞれの事情や価値観が異なるため、分割方法や条件について、意見が対立することがあります。

3: 不動産の価値が下がる可能性がある
共有物分割請求によって、不動産を分割した場合、不動産の価値が下がる可能性があります。
特に、現物分割の場合、分割された不動産の価値が、元の不動産の価値よりも低くなる可能性があります。
例えば、共有不動産を二つに分割した場合、道路に対して間口が狭くなる、形が不整形になる等、元の不動産の価値よりも低くなる可能性があります。

まとめ

共有物分割請求は、共有不動産のトラブルを解決する有効な手段ですが、時間と費用がかかるだけでなく、関係が悪化するリスクも伴います。
そのため、共有物分割請求を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、慎重に判断する必要があるでしょう。
共有不動産のトラブルに悩んでいる場合は、弁護士や共有持分専門の不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家のアドバイスを受けることで、最適な解決策を見つけることができるでしょう。
共有不動産のトラブルを解決し、それぞれの将来設計を実現するためにも、共有物分割請求について、正しく理解しておくことが大切です。

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