共有者が固定資産税を払わない!トラブルを解決する方法をご紹介します!

2023.09.27

目次

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はじめに

相続した不動産を共有持分として所有する場合、固定資産税等も協力して支払います。

そして、共有している方の中で代表者を決める必要があり、代表者が中心となって進める必要があります。

この場合、共有者が固定資産税を支払わないことでトラブルになるケースがあります。

支払わない共有者への対応方法やこのようなトラブルを避けるためにはいくつかの手段があります。

今回は、

◆固定資産税の基礎知識
◆支払わない共有者への対応
◆固定資産税のトラブルを避ける方法

を、ご紹介します。

固定資産税とは?

不動産を所有している場合、固定資産税が課されます。

固定資産税は年に一度、1月1日時点で固定資産の所有者に対して不動産の評価額(土地や建物を課税する上での価格)に税率を掛け、毎年課税されます。

評価額は3年ごとに見直されます。(短期間で価格変動が起きている場合は毎年調整課税されます)

支払者は単独名義の場合単純ですが、共有名義の場合やや複雑になります。

◆支払い時期

固定資産税の支払いは、年に一度、納税通知書が送付された後、指定納付期限までに行います。

納税通知書の送付時期は自治体によって異なりますが、一般的には毎年4月から6月の間です。

固定資産税は年間を6月、9月、12月、2月の各4期間に分けて支払う分割納付(分納)が基本ですが、一括納付も選択できます。一括納付を希望する場合は、通常の分納用の納付書と別に1年分の一括払用の納付書が送付されます。

◆納税通知書の送付先

注意点として共有名義の不動産では、納税通知書は共有名義代表者のみに送られます。つまり、他の共有者には送られないため、注意が必要です。

共有名義の不動産の固定資産税は誰がどのように支払う?

代表者以外は固定資産税を支払わなくて良いのでしょうか。

結論は【全員支払う必要】があります。

納税義務は共有名義の全所有者に課せられます。これを「連帯納税義務」といいます。

連帯納税義務は法律で定められており、共有者全員が協力して税金を納める義務があります。

ただし、「納税義務は一人が納税した場合でも無くなる」という仕組みになっています。つまり、共有者全員が税金の全額を負担する義務があるものの、一人が代表者として納税すれば他の共有者の納税義務は免除されるということです。

◆代表者の役割

代表者指定届を自治体へ提出すると、代表者に固定資産税の納付通達書や納付書が送付されます。代表者は納付書を受け取ると、まず全額を立て替えて支払わなければなりません。

その後、共有者間の持分割合に応じて、他の共有者から各自負担分の固定資産税を返還請求して徴収します。

仮に共有持分権者が自分の分を支払わない場合、代表者が必要に応じて法的手段を用いて強制的に支払わせられます。

他にも対処法があるため、後ほどご紹介します。

共有名義の固定資産税を滞納した場合にどうなるのか?

そもそも、代表者が支払わずに固定資産税を滞納してしまった場合、どうなるのかについて解説します。

◆延滞税の発生

固定資産税の支払い期限を過ぎても納税されない場合、延滞税が発生します。延滞税の税率は納付期限の翌日から2ヶ月を超えると延滞税率が急速に増加するため、期日を厳守することが重要です。

◆督促状の受領

固定資産税や都市計画税の滞納時には、督促状が送付されます。地方税法第329条では、「納付期限から20日以内に督促状を発送しなければならない」と定められています。

督促状を受け取ったら、すぐに支払い手続きを行うようにしましょう。

◆他の共有者財産も差し押さえの対象に

共有名義の不動産の場合は滞納すると代表者だけでなく、他の共有者財産も差し押さえられる可能性があります。これは、先述の通り代表者以外の共有者も全額の納税義務を負っているからです。

そのため、督促状を受け取った場合はすぐに他の共有者に相談することをおすすめします。

共有者が支払わない時の解決方法とは?

共有不動産の固定資産税は、共有者全員が連帯して納付する必要があります。

以下では、共有者が支払いを拒否した場合の回収方法を3つご紹介します。

1.求償権を行使する

共有者に対して請求しているにもかかわらず、支払いに応じない場合は『求償権』を行使して回収します。『求償権』は、他の債務を代わりに支払った者がその分を返還請求できる権利です。

立て替えた共有者は、支払わなかった共有者に対して求償権を有しています。

求償権の行使には、以下の2つの方法があります。

・財産の差し押さえによる立て替え分の回収
・立て替えから1年後に強制的に持分を買取る

2.相続人へ請求する

共有者が固定資産税を滞納したまま亡くなった場合、その滞納分は相続人に引き継がれます。

例えば、Aさん、Bさん、Cさんが共有不動産を所有しており、Aさんが固定資産税を支払わずに亡くなり、Aさんの妻が相続人となった場合を考えます。

Aさんの妻は、Aさんの持分だけでなく滞納した固定資産税も引き継ぐため、Aさんの妻に対して請求が可能です。

3.共有者と連絡が取れない場合は、不在者財産管理人を申立てる

共有者の所在がわからず、立て替えた固定資産税の請求ができない場合もあります。そのような場合は、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得すると、共有者の住所が記載されています。

登記事項証明書の情報と現在の所在地が異なる場合でも、住民票や戸籍などを調査すれば、共有者の現在の所在地を特定できる可能性があります。

それでも共有者が見つからない場合、家庭裁判所へ申立を行い、不在者財産管理人を選任します。

不在者財産管理人は不在者の財産を管理、保存するほか、家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で、不在者に代わって不動産の売却等を行うこともできます。


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固定資産税のトラブルを避ける方法とは?

共有者と固定資産税に関するトラブルは共有名義を解消することで避けられます。

そこで、以下に4つの共有名義を解消する方法を4つご紹介します。

1.共有者全員の合意のもとで、不動産全体を売却する

共有名義を解消する最初の方法は、不動産全体を売却することです。

この方法により、固定資産税の支払いトラブルを回避することができます。ただし、共有不動産全体を売却するには、共有者全員が合意する必要があります。

2.自分の共有持分を放棄する

共有不動産の持分を放棄することで、固定資産税の支払い義務から逃れられます。

自分の持分が放棄された場合、その部分は他の共有者に持分割合に応じて帰属することになります。ただし、固定資産税の支払い義務から逃れるためには、登記上からご自身の名義を無くす事が必要です。

この手続きには、他の共有者から協力を得て所有権移転登記を行う必要があります。

3.自分の共有持分を他の共有者に売却する

共有不動産全体を売却する方法以外にも共有持分のみを売却する方法があります。

自分の持分を他の共有者に売却することで、固定資産税の負担から解放されます。他の共有者ではなく、第三者へ売却する事も出来ます。

また、他の共有者の持分を購入し、一つの不動産として売却することも一つの方法です。

4.共有物分割請求訴訟を起こして共有状態を解消する

共有物分割請求訴訟とは、裁判所を介して他の共有者に共有解消を求める方法です。

この方法では裁判所が共有状態の解消方法を決定するため、他の共有者が反意を示していても裁判所の判決を得て共有状態を解消できます。

これは共有者との関係が悪化し、話し合いができない場合に有効な共有解消手段といえます。ただし、共有者との裁判なので心労は勿論、時間も費用も掛かるので慎重にご判断ください。

まとめ

共有している固定資産税は代表者が中心となって進める必要があるため、共有者が支払わない場合トラブルになります。

この共有者が支払わない場合は、請求することで回収できる方法がいくつかあるので、上記の方法をしっかりと把握しておきましょう。

また、トラブルを避けるためには共有名義を解消する手段や、そもそも最初から共有持分を持たないという選択肢もあります。

このように共有持分に関する対処方法は沢山あるため、しっかりと検討した上で選択することをおすすめします。

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