兄弟で不動産を相続する注意点!共有名義の場合それぞれの持分は?回避策も解説
2024.10.23
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兄弟で不動産を相続する際、共有名義にすることは、一見、普通なように思えるかもしれません。しかし、実際には多くのリスクが潜んでいます。
共有名義によって発生するトラブルは、兄弟間の関係を悪化させ、最悪の場合、絶縁状態にまで発展することもあります。
今回は、兄弟で不動産を相続する際に、共有名義にすることの危険性と、トラブルを回避するための対策について解説します。
相続をスムーズに進め、家族の関係を良好に維持するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
兄弟で不動産を相続する際の注意点
兄弟で不動産を共有名義にすることは、以下の様なリスクが伴います。
・不動産の売却や賃貸に関するトラブル
不動産の売却や賃貸を行う際には、共有者全員の同意が必要となります。
兄弟間で意見が一致しない場合、売却や賃貸が難しくなったり、時間がかかったりすることがあります。
・管理費や固定資産税の負担をめぐるトラブル
不動産の管理費や固定資産税は、共有者の持分割合に応じて負担することになります。
しかし、兄弟間で負担割合が公平でないと感じたり、一方的に負担を強いられたりした場合、管理費や固定資産税を払いたくないなどのトラブルに発展する可能性があります。
・物件の占有をめぐるトラブル
共有名義の不動産を、兄弟の一方が占有してしまうケースも考えられます。
例えば実家に兄弟のいずれかが残って住んでいるような場合です。
この場合、住んでいない方は、自分の権利を行使することが難しくなり、トラブルに発展する可能性が高まります。
・相続手続きが複雑化するリスク
不動産を兄弟共有名義で相続する場合、相続手続きが持分の決め方など複雑化する可能性があります。
相続税の計算や遺産分割協議なども、単独名義の場合よりも煩雑になることがありますので必ず専門の税理士や司法書士・弁護士などに相談をしましょう。
具体的に兄弟共有名義で起こるトラブルとは?それぞれの持分は?
兄弟間で不動産を共有名義にすることは、将来、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
具体的には、売却や賃貸の際の意見の食い違い、管理費や固定資産税の負担をめぐる争い、占有をめぐるトラブルなどがあります。
1: 売却や賃貸の際のトラブル
兄弟間で不動産の売却や賃貸を行う際には、それぞれの意見が一致することが重要です。
しかし、兄弟間で売却価格や賃貸条件について意見が食い違うことは珍しくありません。
例えば、兄は多少安くてもすぐにでも売却したいと考えているのに対し、弟は時間を掛けても良い条件で売りたいと考えている場合、売却時期や売却価格について折り合いがつかず、トラブルに発展する可能性があります。
また、賃貸に出す場合も、賃貸条件について意見が一致せず、トラブルになるケースがあります。
2: 管理費や固定資産税の負担をめぐるトラブル
共有名義の不動産は、管理費や固定資産税を共有者の持分割合に応じて負担することになります。
しかし、兄弟間で負担割合が公平でないと感じたり、一方的に負担を強いられたりした場合、トラブルに発展する可能性があります。
例えば、兄が不動産を占有しているのに、管理費や固定資産税は持分割合で弟も負担している場合、弟は兄に対して負担割合の不平等を主張してくる可能性があります。
3: 物件の占有をめぐるトラブル
共有名義の不動産を、兄弟の一方が一方的に占有してしまうケースも考えられます。
この場合、占有されている方は、自分の権利を行使することが難しくなり、トラブルに発展する可能性があります。
例えば、兄が不動産を占有し、弟は住むことができなくなってしまった場合、弟は兄に対して占有の解消や家賃の支払いを求める可能性があります。
兄弟共有名義を避けるための対策
共有名義で相続することによるリスクを理解した上で、相続発生前にできる対策を検討しましょう。
具体的には、親御さんに遺言書の作成や生前贈与をお願いする、又は一方が相続放棄するなどがあります。
1: 親御さんに遺言書の作成をお願いする
遺言書を作成することで、相続の際に不動産を誰にどのように相続させるか、明確に定めることができます。遺言書があれば、遺産分割協議がスムーズに行われ、トラブルを回避できる可能性が高まります。
遺言書には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言など、いくつかの種類があります。
それぞれの遺言書には作成方法や必要な手続きが異なります。
また、親御さんの思いを記載する事により納得感が出ます。
事前に弁護士など専門家に相談することをお勧めします。
2: 親御さんに生前贈与をお願いする
生前贈与とは、相続が発生する前に、財産を兄弟に贈与することです。
生前贈与を行うことで、相続が発生した際に共有名義になるのを防ぐことができます。
生前贈与を行う際には、贈与税が発生することがあります。
贈与税の負担を和らげる、または負担をなくす為に、贈与税の非課税枠を活用したり、贈与税の節税対策を検討したりする必要があります。
また、公平に生前贈与を行えない場合、その理由を親御さんは事前に伝えておく必要があります。知らないうちに兄弟の一方のみが贈与を受けている事がないようにしましょう。
3: 相続放棄
相続放棄とは、相続人となることを放棄することです。
相続放棄を行うことで、不動産の相続を放棄し、共有名義になることを回避することができます。
相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
期限内に申述しないと、相続放棄はできませんので、注意が必要です。
また、不動産だけなど相続財産一部のみを相続放棄する事は出来ません。
相続放棄は相続人の地位を放棄する事になるので預貯金など、他の財産も一緒に放棄する事になるので注意が必要です。
相続登記後の共有状態を解消する方法
相続登記後、すでに兄弟で不動産を共有名義で所有している場合でも、共有状態を解消する方法があります。話し合いによる解決、裁判による共有物分割請求、専門業者への売却など、状況に応じて最適な方法を選択することが大切です。
1: 話し合いによる解決
共有状態を解消する最も理想的な方法は、兄弟間で話し合い、合意することです。
話し合いでは、それぞれの意見を理解し、互いに譲歩することで、納得のいく結論に達することが重要です。
しかし、話し合いが難航する場合は、相手の主張を把握し、弁護士などの専門家に相談し、第三者の意見を聞くことも有効です。
2: 裁判による共有物分割請求
話し合いがまとまらない場合は、裁判による共有物分割請求という手段もあります。
共有物分割請求とは、共有財産を共有者各々単独所有に分割するよう裁判所に求める手続きです。
お互いの協議が不調になった場合に提訴する事が出来ます。
これにより分割方法(現物分割、代償分割、換価分割)分割の必要性を裁判所に判断して貰います。
不動産の評価額や特性などの把握が必要ですので事前に弁護士へ相談して準備する必要があります。
ただし、弁護士費用、裁判費用が掛かるのと判決が出るまで時間が掛かった上で兄弟間の関係が悪化する覚悟が必要です。
3: 専門業者への売却
話し合いがまとまらない場合、または裁判が長期化する可能性が高い場合は、専門業者に自身の持分のみを売却することも検討できます。
専門業者であれば、不動産の評価や売却手続きなど、全てを代行してくれるため、自分で手続きを行うよりも手間が省けますし期間も早く解決します。。
ただし、専門業者に売却する場合、市場価格より低い金額が提示されます。
前述の弁護士などの費用や解決までの期間を天秤にかけ慎重な判断が必要です。
まとめ
兄弟で不動産を相続する際には、共有名義にすることのリスクを理解し、トラブルを回避するための対策を検討することが重要です。
相続前に親御さんが遺言書を作成したり、生前贈与を行ったりすることで、共有名義になるのを防ぐことができます。
また、相続後すでに共有名義になっている場合は、話し合いによる解決や裁判による共有物分割請求など、状況に応じて適切な方法を選択しましょう。
兄弟間で不動産を巡るトラブルは、家族関係を悪化させる可能性が高いです。
相続をスムーズに進め、家族関係を良好に維持するためにも、早めの対策を検討することをお勧めします。
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