再建築不可物件を購入する際にローンは組める?組みやすくする方法は?
2023.09.27
目次
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はじめに
物件の購入には、非常に大きなお金が必要になります。
そのため、再建築不可物件を購入しようとご検討中の方は、ローンを利用することを視野に入れているのではないでしょうか。
しかし、再建築不可物件を購入する際にローンを利用することは難しいという話を聞いたことがありませんか。
今回は、再建築不可物件を購入する際にローンは組めるのかどうかについて解説していきたいと思います。
また、ローンを組みやすくするための方法についても触れていますので、ぜひご一読ください。
そもそも再建築不可物件とは
そもそも再建築不可物件とは、建築基準法の規定によって、増築や建て替えが禁止されている物件のことを指します。
例えば、建築基準法第43条の「接道義務」を満たしていない場合は、増築や建て替えが認められていません。
「接道義務」とは、敷地が接している道路の幅員と敷地の間口幅に関する取り決めのことです。
仮に接道義務が守られていない場合、災害時や緊急時に、消防や救急などの車両がその道及び不動産に辿り着く事ができず、活動を阻害してしまうことにつながります。
そのため、接道義務を守ることは非常に大切なことであり、当たり前なことでもあります。
ただし、こちらの規定は、ずっと存在していたわけではなく、現行の建築基準法が制定される前から建てられた建物で接道義務を守
っていないケースがあります。
そのような場合は、建物を取り壊す必要はありませんが、増築をすることや建て替えをすることは認められていません。
再建築不可物件を購入する際に住宅ローンは利用できる?
結論から申しあげますと、再建築不可物件を購入する際に住宅ローンを利用することは通常難しいですが、
『利用出来る金融機関がある』のも事実です。
◆銀行の融資は受けづらい
ほとんどの場合、再建築不可物件を購入する際に銀行の住宅ローンを利用することはできないと考えておく方が賢明です。
前提として、銀行側が融資を行う際は、当然のことながら利息を付けた状態で返金してもらうことを目的としています。
しかし、再建築不可物件を購入する場合、債務者側に「大きなリスク」があるため、債権者側の銀行はどうしても融資をすることが難しくなってしまいます。
債務者側の「大きなリスク」とは、再建築不可物件が倒壊した際に建て替えができないということです。
一般的な物件が倒壊した場合は、建て直しをして住み続けられますが、再建築不可物件が倒壊した場合は建て直しができないため、他の地域での生活が余儀なくされます。
その場合、新たな住居での家賃に加え、借りた住宅ローンの返済も必要な為、返済不能に陥る可能性があるのです。
また、一般的な物件では購入した後、仮に住宅ローンの返済が難しくなった場合、その物件を売却して住宅ローンの残りを返済するという方法があります。
一方で、再建築不可物件は一般的な物件よりも売却し難いという側面があるため、住宅ローン返済をするために売却するということがあまり現実的ではありません。
そのため、銀行側はどうしても再建築不可物件の購入希望者に融資をし難いという事になります。
◆ノンバンクであれば利用しやすい
銀行から融資を受けることは難しいですが、ノンバンクであれば融資を受けられる可能性があります。
それは、銀行よりも融資基準が緩いからです。
しかし、必ず融資を受けられるというわけではなく、再建築不可物件の土地の状態や建物の状態を見た上でノンバンクも融資可否を検討しています。
この為、住宅ローンでは頭金なしで審査が通る事も多いですが、ノンバンクの場合は頭金を求められる事が多くあります。
上記では、銀行から融資を受ける場合とノンバンクから融資を受ける場合について解説しましたが、いずれも融資を受けることが難しいことには変わりありません。
そのため、「再建築不可物件を購入する際に住宅ローンを利用できるのかどうか」という疑問に対しては、「理論上可能ではあるけど、現実的に難しい側面がある」という回答ができます。
再建築不可物件でローンを組むための方法について
再建築不可物件を購入する際に住宅ローンを利用することは、少し難しいことをお伝えしましたが、ローンの選び方によっては、比較的簡単にローンを組めることがあります。
*フリーローンを利用する
フリーローンとは、使用用途を問わない形式のローンのことを指します。
フリーローンは、住宅ローンよりも借り入れがしやすいという特徴があるため、場合によっては利用できるかもしれません。
但し、返済期間が短かったり、金利が住宅ローンと比較すると高くなりますので注意が必要です。
◆ほかに担保を用意する
再建築不可物件を購入する際に、ローンを利用しづらい理由として、「再建築不可物件は担保としての価値が低いこと」が挙げられます。
そのため、ローンを利用するための施策として、他に担保を用意することが考えられます。
例えば、他に所有している住宅や土地があれば、そちらを担保にすることで、ローンを利用できる可能性があります。
◆再建築不可物件を建築可能にする
そもそも再建築不可物件が建て替えや増築をできない理由は、現行の建築基準法に適合していないからです。
具体的には、建築基準法第43条の接道義務を守れていない場合が多いです。そこで、隣地を購入するか、借りることで、接道義務を満たせる場合があります。
このように接道義務の問題を解消することで、再建築不可物件は建築可能になるため、担保としての価値が上がり、ローンを利用出来るようになります。
ただし、購入してから解消するのではローンには間に合いませんし、売主に先に解消して貰うのでは売主は安価に売却する理由が無くなりますので高額になり本末転倒です。
当初はノンバンクで融資を受け、購入後に隣接地と交渉の上、解消出来たら都市銀行へ借換をするのが手順としては一般的です。
これには短期返済のノンバンクへの違約金や、借換に関する手数料、登記変更の手数料等も掛かりますので、全体予算を確認してから行いましょう。
そもそも再建築不可物件はローンを組んでまで購入した方が良いのか?
結論から申し上げますと、メリットとデメリットを総合的に考慮したうえで、再建築不可物件を購入するかどうかを決めることが賢明でしょう。
◆メリット
1.購入費を抑えられる
再建築不可物件を購入する最も大きなメリットは、購入費を抑えられることです。
リフォームや増改築に人気が集まっている中、増築や建て替えができない再建築不可物件を売却することは難しくなりつつあります。
そのため、再建築不可物件の所有者は売却価格を下げて売りに出していることが多いです。
2.固定資産税や都市計画税を抑えられる
固定資産税や都市計画税の額は物件に対する評価によって決まります。そのため、比較的価値が低いとされている再建築不可物件の固定資産税や都市計画税は安い傾向にあります。
◆デメリット
1.再建築できない
再建築できないという点は、必ず把握しておかなければいけません。
例えば、再建築不可物件が地震や火災などが原因で倒壊した場合でも、再建築できません。つまり、どんな理由であっても、再建築不可物件が倒壊した場合は、更地にするしかありません。
そのため、最悪の場合は、他の場所で新たな住宅を探さないといけなくなります。
2.売却し難い
再建築不可物件は、再建築できないという大きなデメリットがあるため、売却し難いというのがあります。
また、ほとんどの再建築不可物件は、現行の建築基準法が制定される前までに建築されたものが多く、現在老朽化が進んでいるものが多いです。
そのため、売却する前に修繕しないといけない可能性があり、ますます売り難い状況になっています。
まとめ
今回は、再建築不可物件はローンを組めるのかどうかについて解説しました。
再建築不可物件を購入する際に、住宅ローンを利用することは、理論上は可能ですが、現実的には難しい側面があります。
それは、「再建築不可物件は担保としての価値が低いこと」と「債務者側のリスクがあまりにも大きいこと」が理由として考えられます。
そこで、フリーローンを利用することや再建築不可物件を建築可能にすることが対策法として効果的です。
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