再建築不可物件の固定資産税は減価償却で安く済む?高額になるケースも解説

2024.10.24

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再建築不可物件は、新しく建物を建てることができないため、購入を検討する際には注意が必要です。
特に、固定資産税の面では、通常の物件とは異なる点があります。
再建築不可物件の固定資産税は、必ずしも安くなるわけではありません。
建物の用途や土地の状況などによって、高額になるケースもあるのです。

今回は、再建築不可物件の固定資産税について、計算方法や安く済むケース、高額になるケースなどを詳しく解説していきます。

再建築不可物件の固定資産税とは|減価償却で安く済む?

再建築不可物件の固定資産税は、通常の物件に比べて安くなることが多いですが、必ずしも安くなるわけではありません。
建物の用途や土地の状況などによって大きく変わることがあります。

1: 再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、建築基準法の接道義務を満たしていないため、新たに建物を建てることができない物件を指します。
具体的には、建築基準法上の道路に接道幅が2m未満の土地が該当します。
そのため、建築基準法上の道路に面していない土地や、建築基準法上の道路に面していても、敷地の間口部分が2m未満の土地は、再建築不可物件と判断されます。

2: 固定資産税の計算方法
固定資産税は、毎年1月1日の時点で所有している不動産に対して課せられる税金です。
再建築不可物件の固定資産税は、一般の物件と同様に、以下の計算式で算出されます。

固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)

固定資産税評価額は、土地と建物の評価額が各々算出されています。
土地の評価額は、公示地価や路線価などを参考に算出されます。
建物の評価額は、築年数や構造、規模などを考慮して算出されます。

3: 再建築不可物件の固定資産税の評価額
再建築不可物件の固定資産税評価額は、通常の物件に比べて低くなる傾向にあります。
これは、再建築不可物件の建物は建て替えができないため、築年数が古く、経年減価補正が大きく適用されます。
また、土地も形状が不整形であったり道路が狭かったりするので、評価額が低くなります。

4: 再建築不可物件の固定資産税|注意点
再建築不可物件の固定資産税は、安くなる場合が多いですが、必ずしも安くなるわけではありません。
以下に、再建築不可物件の固定資産税が高額になる可能性があるケースをご紹介します。

・更地になっている場合
・特定空き家に指定されている場合

これらのケースでは、固定資産税評価額が大幅に上昇します。

再建築不可物件の固定資産税が安く済むケース

再建築不可物件の固定資産税が安く済むケースとしては、築年数が古く、建物が老朽化している場合や、土地の形状が不整形である場合などが挙げられます。
これらのケースでは、固定資産税の評価額が低くなるため、税額も低くなります。

1: 築年数が古い場合
築年数が古い物件は、経年減価がされるため、固定資産税評価額が低くなります。
再建築不可物件は、建て替えができないため、築年数が古い物件となります。
そのため、固定資産税が安くなるケースが多いと言えるでしょう。

2: 土地の形状が不整形な場合
土地の形状が不整形な場合も、固定資産税評価額が低くなることがあります。
例えば、敷地が旗状の形であったり、細長く伸びた形状をしていたりする場合などが挙げられます。

3: 不法建築物である場合
再建築不可物件が、不法建築物であった場合、固定資産税の評価額が低くなる場合があります。
不法建築物は、建築基準法に違反しているため、合法的な建築物よりも価値が低くなるからです。ただし面積を違法に増加させている場合は面積が増えてる分の評価が上がりますので評価額は高くなります。
減築をしても不法建築物を合法化する手続きはありませんので注意しましょう。

これらの土地は、通常の土地に比べて形状減価がされ、固定資産税評価額が低くなります。

再建築不可物件の固定資産税が高額になるケース

再建築不可物件であっても、固定資産税が高額になるケースがあります。
例えば、更地になった場合や、特定空き家に指定された場合などは、固定資産税が大幅に上昇し、高額になります。

1: 更地になった場合
更地になった場合、固定資産税評価額は、上昇します。
住宅が土地に建っている場合は小規模宅地の特例で固定資産税は1/6に都市計画税は1/3になります(適用要件があります)。
更地になってしまうと特例が無くなる為、固定資産税は6倍に都市計画税は3倍になります。
また、再建築不可物件は、建て替えができないため、更地にしてしまうと利用価値が大幅に下がるので注意が必要です。

2: 特定空き家に指定された場合
特定空き家に指定された場合、更地の場合と同じく固定資産税が上昇します。
特定空き家とは、老朽化や放置などにより、周辺環境の保全や景観の維持、防災などに悪影響を及ぼすおそれがある空き家を指します。

3.住宅の用途を事務所や店舗等に変更した場合
住宅の場合は小規模宅地の特例がありますが事務所や店舗等にした場合は小規模宅地の特例が無くなりますので注意が必要です。

再建築不可物件の固定資産税|所有するリスク

再建築不可物件は、固定資産税が安く済む場合もある一方で、所有するリスクも大きいことを理解しておきましょう。
例えば、老朽化による倒壊で生じる損害賠償リスク、更地にした場合の固定資産税の増額、特定空き家への指定による固定資産税増額などがあります。
これらのリスクを事前に把握しておくことが重要です。

1: 老朽化による倒壊のリスク
再建築不可物件は、建て替えができないため、老朽化による倒壊のリスクが高いです。
特に、築年数が古い物件は、耐震性が低い場合があり、地震などの災害時に倒壊する危険性があります。
倒壊した場合、建物だけでなく、周辺の建物や人にも被害が及び損害賠償請求されるリスクを負います。

2: 更地にした場合の固定資産税の増加
再建築不可物件を更地にした場合、固定資産税が上昇します。
更地になった土地は、再建築ができないため、利用価値が低くなります。
固定資産税評価額が上昇し、税金が高額になり、利用価値は低くなります。

3: 特定空き家への指定による税金増額
再建築不可物件を放置すると、特定空き家に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されると、小規模宅地の特例がなくなりますので税額が上がります。

特定空き家への指定は、周辺環境の保全や景観の維持、防災などに悪影響を及ぼすおそれがある空き家に対して行われます。
そのため、再建築不可物件を放置すると、周辺住民とのトラブルに発展する可能性もあります。

4: 売却の困難さ
再建築不可物件は、売却が困難な場合があります。
再建築不可物件は、新たに建物を建てることができないため、買い手が見つかり難い点です。
内装費用が掛かり、耐震性にも不安がある為、買い手は相応に費用を要するため売却価格を低く設定しないとならないので困難となります。

5: 修理・改修費用の負担
再建築不可物件は、建て替えができないため、修理・改修費用がかかる場合があります。
老朽化した建物は、修繕が必要となる箇所が多くなり、費用も高額になる可能性があります。
また、再建築不可物件は、建物の構造や材質が古いため、修理・改修が難しい場合もあります。

まとめ

今回は、再建築不可物件の固定資産税について解説しました。
再建築不可物件の固定資産税は、基本税額が低いですが高額になるケースがあります。
再建築不可物件の購入を検討する際には、現在の固定資産税評価額、安く済む状況を維持出来るか、高額になる状況に当てはまらないかを理解しておくことが重要です。
また、再建築不可物件は、固定資産税が安く済む一方で、所有するリスクも大きいことを理解しておきましょう。
老朽化による倒壊リスクがあり、しかし更地にすると固定資産税が増額される、かといって特定空き家へ指定されても増額されてしまう、などがあります。
これらのリスクを事前に把握しておけば、再建築不可物件を所有する際の判断材料になるでしょう。

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